皇居を巡る「英語ツアー」開始 急増の外国人観光客に人気

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皇居を巡る「英語ツアー」開始 急増の外国人観光客に人気

訪日外国人が増える中、東京都心の名所として「皇居」の人気が高まっています。皇居を訪れる外国人の数はここ数年で急増していて、2017年は初めて5万人を超えました。こうした中、宮内庁は今まで行っていた日本語のツアーに加えて、5月から英語による外国人向けのツアーを始めました。

 ツアーで回るルートは皇居の南側の全長約2キロのコースで、宮内庁の庁舎や敷地内の史跡などを巡ります。コースは警備上の理由により、宮内庁のガイドと共に歩いて見学します。ツアーが始まってまだわずか半月ですが、多い時は250人近い外国人がツアーに参加する人気ぶりです。外国人は参加した理由を「庭を見てみたかった。庭が美しいと聞いていたから」(アメリカ人)、「皇居は日本の大きな文化遺産の一つ。英語のガイドツアーで学べるのはうれしい」(アメリカ人)などと話していました。

 まず訪れたのは、石垣の上に立つ富士見櫓(やぐら)です。江戸時代を感じさせる櫓に、参加者たちは一斉にカメラのシャッターを切ります。そして、宮内庁ガイドによる「石垣は1606年に築かれたものだといわれ、数百年を経て、何度も震災に遭いながらも崩れずに残っている」という説明を熱心に聞き入っていました。外国人向けのツアーでは、従来の日本語ツアーよりも皇居の歴史や文化をもっと深く理解してもらおうと、解説の内容がより一層分かりやすくなっています。

 外国人観光客の一行は、豊かに広がる新緑の中を進み、宮内庁の庁舎の前を通って、さまざまな皇室行事が行われる「宮殿」へとやって来ました。新年の一般参賀などで使われる宮殿は、外国人観光客の目にはどのように見えたのでしょうか。ツアーの参加者の1人は「ヨーロッパの宮殿とは違って小さくてシンプルだけど、品がある。歴史的なヨーロッパの建物は巨大で装飾的。でも皇居は繊細で美しい」(ポーランド人)と感想を語りました。無駄のないデザインの日本の宮殿は、外国人にとって新鮮に映ったようです。

 開始から約1時間でツアーは無事終了です。参加した外国人は「日本は美しくていい国だ。感動したよ。みんなきれいで誇り高く、きちんとしている」(カナダ人)、「素晴らしかった。ガイドの案内は分かりやすく、たくさん説明してくれて良かった」(カナダ人)、「すごく感銘を受けた。庭はとても手が掛かっていて、考え抜かれていますね」(ドイツ人)などと語りました。

 宮内庁ガイドの林睦子さんは「一言で『宮殿』といっても、外国人が感じることは違うと思う。このシンプルだからこそ美しい、というのを感じてもらえれば」と、ツアーを通して日本の心を感じてほしいと話しています。